Evidence-Based Practice of Critical Care 30章〜31章
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神戸市立医療センター中央市民病院 集中治療部
on Aug 13, 2012
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通読勉強会
30章〜敗血症の患者への補液方法は何がベスト?〜
輸液療法はタイミング
奏功しているなら、減速し、過剰な輸液を回避せよ。
発症から36-48時間までには輸液負荷を終了する。
発症から48-72時間までには利尿を図る。
敗血症の病期とともに臓器不全が進行すると、組織に体液貯留が生じ、害を及ぼす。
フローモニター:敗血症や生体侵襲の早期に行う大量輸液療法の指標として使用を、現時点のエビデンスは支持
oximetric catheter:SvO2
stroke volume monitor:PiCCO, EDM
輸液の種類
晶質液は、間質の体液不足を補うために敗血症性ショックに対する初期輸液に広く用いられている。
膠質液は、晶質液に比べ少量の負荷で、循環動態の介入目標を達成する。
アルブミンは安全だが、敗血症治療や費用対効果の観点から有効性が示されているわけではない。
HES(hydroxyethyl starch)も広く使用されている:理論上は理にかなっているが、高分子(450kD<)製剤は使用するべきではない;凝固障害や蓄積を生じる(腎不全の場合は特に)。
生理食塩水:高クロール性代謝性アシドーシスを生じる;腹腔臓器還流、特に腎障害を生じるかもしれない。
高張食塩水:敗血症治療において、期待されているような効果は示されていない。
31章〜敗血性ショックに対してどの昇圧剤を使うべき?〜
敗血症性ショックには2つの段階がある
早期:血管内脱水様:EGDT
後期:血管機能不全、心筋障害、微小循環障害、ミトコンドリア機能不全:血管作動薬が介入の主役:還流圧が主要臓器の調節範囲内になるように血圧を維持する
継続議論の最中:多施設前向き比較試験が待たれる
血管作動薬の選択
どの薬剤も一長一短で優劣を示した研究は限定的
ひきつづき、カテコラミンが第一選択
モニター指標と効果判定
血管作動薬の開始には、輸液補充がなされていることが必要条件
各薬剤に関して
ノルアドレナリン:強力な血管収縮作用で主要臓器還流を確保する;代謝活性を受けて循環以外の作用を生じない。
ドパミン:使いにくい;循環以外の作用(神経、内分泌、免疫)を有し、血管収縮薬としても効果の予測がたたない。
アドレナリン:強力な血管収縮薬、かつ、強心薬;臨床的な意義は不明だが、嫌気解糖による乳酸アシドーシスを生じ、一過性に腹腔内臓器還流を低下させる
ドブタミン:強力な強心薬;敗血症性ショックの早期には輸液療法と、後期にはノルアドレナリンと併用して使用する。
フェニレフリン:敗血症性ショックの管理には使い道がない。
バゾプレシン:カテコラミンとの併用を考慮するべき;敗血症性ショックでは絶対的に不足している。コルチコステロイドとの併用は相加的な作用があるかもしれない。
Ca増感薬、PDE阻害薬:敗血症性ショックでの推奨を裏付けるデータは不十分
(担当 園)
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