Evidence-Based Practice of Critical Care 32章〜33章


Chapter 32  Should Vasopressin Be Used in Septic Shock ?
・低用量バソプレッシンは成人の敗血症について有用な昇圧剤である。
・重症でない敗血症に対する低用量バソプレッシンの有用性については、さらなる研究が必要である。バソプレッシンは難治性の敗血症ショック(すでに高容量の昇圧剤を使用しているなど)のrescue therapyとして使用するより敗血症早期に使用する方が効果的だが、敗血症治療の第一選択薬にするにはさらなるエビデンスが必要である。
・0.03U/min以上のバソプレッシンの投与量は、臨床研究の時だけにすべきである。

Chapter 33  What is the Role of Source Control in Sepsis ?
・感染源の制御は、敗血症治療に必要な要素である。感染制御には、1感染源の同定、2感染巣の除去もしくはドレナージ、3汚染の進行が現在起こっていない事の再評価、4もともとの感染の原因を直し適切な機能を取り戻すための根本的治療、などが重要な要素である。
・感染制御の4つのカテゴリーは、ドレナージ、デブリードメント、デバイスの除去、最初の汚染を引き起こした解剖学的障害の根本的治療、である。
・感染制御の役割や、感染制御方法を比較したRCTはほとんどない。そのため、ケースシリーズ研究からのエビデンスを用いたり、基礎病理生物学を用いたりして診療される。
・一般的に、最も良い感染制御の方法は、生理学的侵襲の最も少ない処置である。初期安定が得られたあとに行われるのが普通であるが、壊死性筋膜炎や腸管虚血のように感染源制御が最も重要な場合もある。
・初期の感染制御後に患者を再評価する事は、進行する感染がない事を確認するために重要である。患者が安定したあとに、病理学的に考慮した根本的な治療は繰り返す感染を防ぐために重要である。

(担当 井上)

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