Evidence-Based Practice of Critical Care 34~35章
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神戸市立医療センター中央市民病院 集中治療部
on Aug 30, 2012
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通読勉強会
34章〜重症疾患において免疫抑制はあるか〜
・敗血症患者は免疫低下がおこる.それは,遅延型過敏反応喪失,感染寛解不能,2次感染の発症などに表れている.
・敗血症患者における多くの死亡は発症後期におこる.生存者は免疫の回復が見られる.
・免疫不全の機序は以下である:リンパ球・樹状細胞・消化管のアポトーシスが起こる,サイトカインの性質がTh1からTh2へ変化する,抗炎症メディエータが分泌される,リンパ球のアネルギーが起こる,単球の非活性化が起こる.
・免疫系の調整を目的とした治療ができるように,敗血症において免疫反応のモニタリングができれば有用かもしれない
35章〜SIRSとMODSのコンセプトは敗血症において有用か〜
・敗血症定義の標準化の試みの1つとしてSIRSのクライテリアができた.また,敗血症時に見られる全身の炎症反応は敗血症がなくても起こる,ということもこのクライテリアの作成の理由である.
・新しい敗血症治療のための臨床試験においてSIRSクライテリアは広く用いられている.しかし,ほとんどの患者で原因は何であってもSIRSのクライテリアを満たしてしまうために,かなりの不均一性を作り出してしまっている
・MODSは重症敗血症患者を評価するために使用されている.その際はスコアを用いる.
・臨床試験において敗血症患者をより詳しく特徴づけるために,PIROのような新しい概念は有用であろう.それによりもっと均一な関連のある患者群を抽出することができる.これらのステージングシステムは,臨床現場においてより適切な敗血症治療を選択するためにも,治療経過をみるにも有用であると思われる.
(担当 瀬尾)
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