Evidence-Based Practice in Critical Care 20章〜21章


20. 〜ARDSにおけるHFOVの役割は?〜
HFOVARDS患者のガス交換や肺保護を良くするかもしれないが、一般的な人工呼吸管理と比べて死亡率を改善するというエビデンスはない。
・短期間の酸素化の改善は必ずしも死亡率を改善しない。ALI/ARDS患者のほとんどは低酸素ではなく多臓器不全で死亡する。
 HFOVの有用性を示すエビデンスはないため、成人ALI/ARDS患者への早期のHFOVの使用は推奨されない。今のところ、一般的な人工呼吸管理では対応できない患者に対して、他にオプションがないと考えられるときにレスキューとして使用するに留まる。
HFOVを使用する際は、生命生存に最も寄与するであろう患者群と使用開始タイミングを同定する必要がある。
・肺保護戦略とHFOVを比較した大規模多施設RCTの結果が待たれる。

21. 〜ARDSにおける血管拡張薬の吸入〜
ALI/ARDSに対するNO吸入は最近のエビデンスでは推奨されない。利益よりも害が大きい可能性がある。
難治性の低酸素血症患者に対するNO吸入療法の是非についてはデータが不十分である。
プロスタグランジンの吸入に関しては非常に限られた臨床データしかない。

(担当 朱)

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