・高二酸化炭素血症は、ARDSのアウトカムを改善する低換気戦略の結果として避けられない事である。
・重症喘息やCOPDにおいても高二酸化炭素血症許容戦略はエビデンスがある。
・高二酸化炭素血症は生物学的作用物質としての可能性がある。そして、高二酸化炭素血症が肺や全身臓器損傷を和らげるとした臨床検査におけるエビデンスは増えてきている。
・頭蓋内のコンプアイランスが低下している時や肺血管抵抗が増加することが悪影響を及ぼす可能性がある時、高二酸化炭素血症の有害な生理学的効果がある可能性については良く考えておくべきである。
・高二酸化炭素血症によるアシドーシスの補正に重炭酸ナトリウムを投与する事を支持するエビデンスはない。
・高二酸化炭素血症の作用のメカニズムや効果を明確に理解する事は、高二酸化炭素血症の安全性や有用性を決めるのみ重要である。
17. ARDSにおける仰臥位と腹臥位の体位の違いは?
・過去数十年間、呼吸器官における体位の生理学的効果の理解は進んできた。人工呼吸器中の重症患者において、適切な体位はガス交換を改善させる。体位がARDSのアウトカムを改善させるかどうかはまだ証明されないまま残っているが、おそらく否定的である。
・経験と臨床データからは、側臥位や腹臥位がICUにおける挿管患者のVAPリスクを減らし、重症ARDSの死亡率を下げるかもしれない。しかし、その結果を証明するには今後のさらなる研究が必要である。
・より決定的なデータが出るまでは、重症ARDS患者、特に呼吸器関連肺障害のハイリスク患者(気道内圧上昇など)や通常の換気では失敗する患者に対してVAPリスク軽減のためのヘッドアップと腹臥位を系統的に行う事は理にかなっている。
・RCTがないにもかかわらず、特別な体位は効果的かもしれず考えるべきである。(例えば、低酸素血症患者の健側肺を下にする側臥位や、大量喀血患者の患側肺を下にする側臥位など)
(担当 井上)
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