・ 細胞レベルで高濃度の酸素は活性酸素を生じ、脂質、タンパク質を酸化して細胞膜や酵素、レセプターを障害する。また、核酸を直接障害する。
・ 肺に対する障害は動物実験では示されているが、ヒトではcontroversialである。無気肺、DAD、ARDSなど様々な程度の障害が起こるとされている。
・ FiO2<0.5が良いとされるがエビデンスはない
・ 60%以上の酸素吸入で窒素が洗い出され無気肺や右左シャントが生じる
・ 高濃度酸素吸入により細気管支炎→炎症→線維化という経過をたどる
・ 高圧酸素療法で稀に酸素中毒となり、痙攣や白内障が起こることがある。
・ 酸素による障害の治療は予防しかなく、可能な限りFiO2<0.6にすること。
・ 周術期の高濃度酸素投与はSSIを減らすかもしれない。
9 ICUでの高圧酸素療法の役割は?
・ 高圧酸素療法による活性酸素や活性窒素が転写因子を変化させ、遺伝子の発現およびタンパクの機能に作用する。
・ 様々な動物実験および臨床研究で高圧酸素が有効である可能性が検証されている。
・ 空気塞栓、潜函病、CO中毒、ガス壊疽、クラッシュ症候群、壊死性筋膜炎、熱傷などに有効である可能性がある
・ RCTもいくつかあるが、集中治療領域での有効性を示すには更なる検証が必要
(担当 朱)
0 comments:
Post a Comment