1. ~ICUにおいて呼吸機能をどのように評価しモニタリングすればいいか?~
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呼吸機能のモニタリングは,人工呼吸中の患者の反応を確認したり,人工呼吸器による医原性障害を減少させるのに重要である,
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呼吸系の重要な機械特性は,コンプライアンス,レジスタンス,内因性PEEPである.それらはすべて一般人工呼吸器とベッドサイドでの簡単な手技により測定可能である.これらを用いる事で呼吸状態の変化や治療手技の反応をみることができる,
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急性呼吸不全患者は肺胞の伸展が過剰になる危険性が高い.プラトー肺胞圧をモニタリングし制限すると肺胞の伸展が減少する(しかしそれを完全に回避できるわけではない).
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食道内圧モニタリングは肺胞の伸展の程度を評価する手助けになりうる(特に胸郭メカニクスが異常な患者).
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臨床的には,PEEPはガス交換と血行動態への影響を見ながら調整する.しかし,もし人工呼吸の目的が肺胞の不安定さを回避するためであったら,肺胞リクルートメントの直接的測定がより重要であろう.
肺の量的CT解析は肺胞のリクルートメントを評価するのにおそらく最も適している(しかし臨床上は使いづらい).他の方法(VP曲線など)はベッドサイドで施行でき,リクルートしうる肺組織を見つけるのに役立つ.しかし適切なPEEPの決定においてそれらの有効性は未だ不明である.
肺の量的CT解析は肺胞のリクルートメントを評価するのにおそらく最も適している(しかし臨床上は使いづらい).他の方法(VP曲線など)はベッドサイドで施行でき,リクルートしうる肺組織を見つけるのに役立つ.しかし適切なPEEPの決定においてそれらの有効性は未だ不明である.
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急性呼吸不全において,予後予測としての呼吸機能の妥当性は不明である.
2. 〜重症患者における挿管の適応は?〜
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気管挿管・人工呼吸の適応は3つの範疇に分かれる:低酸素性呼吸不全,高二酸化炭素性換気不全,意識障害と気道保護
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適応は全て慣習的になされているが,特定のガイドラインを支持するデータはほとんどない.
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挿管が必要な患者を同定するのには,医学的経験と臨床的評価が最も重要なツールである.
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動脈血ガス分析とPaCO2 測定は,高二酸化炭素性換気不全を評価するのに必須である.換気不全が完成するまでSpO2は正常に近いことがありうるからである.
3. 〜ICUにおけるCOPD急性増悪の管理方法は?〜
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気管支拡張薬(β2刺激薬・抗コリン薬)はCOPD急性増悪において未だに治療の中心である.
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ほとんどのケースでステロイドが適応である(14日間は超えない).
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テオフィリン投与は現在ではエビデンスに支持されない.
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抗生剤使用は未だ議論のあるところではあるが,ICU管理が必要なほど重症な呼吸不全がある場合には適応になる.
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PaO2を正常化するため,酸素療法は血液ガスにより調節する.
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NIVは重症高二酸化炭素性呼吸不全に対して効果的な介入である.NIVが失敗したら挿管管理下人工呼吸を考えるべきである.
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COPDの呼吸管理戦略は,内因性PEEPの増加を最小限にしながら,患者の需要に合うように適切な流量を供給する事に焦点を当てるべきである.
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人工呼吸中はPaCO2正常値にするのではなく,患者にあった正常範囲をターゲットにすべきである.PaCO2を正常化すると,重篤な代謝性アルカローシスを起こしうる.
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人工呼吸期間は可能な限り少なくすべきである.挿管後のNIVを適応するか考慮すべきである.
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COPD急性増悪でICU入室した患者の予後は良い.患者の希望と事前指示書に基づき,ほとんどのケースでは入院加療がなされる
(担当 瀬尾)
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